2020年9月
デモクラシーと災害ボランティア : 分断された社会をつなぐ中間領域
災害と共生
- ,
- 巻
- 4
- 号
- 1
- 開始ページ
- 67
- 終了ページ
- 81
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.18910/77178
- 出版者・発行元
- 「災害と共生」研究会
一般論文
本輪文は、極端に二極化する現代社会情勢の中、被災地の中で生じる二極化による被災者の分断について考察し、その解消の希望として、災害ホランティア活動と中間領域、そして中間層に注目したものである。まず、現代社会の二極化について、平等意識の変化と民主主義の困難によって社会問題が個人化していくことを指摘する。そして、極端な虚構化と現実への逃避という二極化によって人々が分断されている様子を、シグモイト関数を用いたメタファーで表現しながら、その背景をアメリカにおけるアドボカシーグループの台頭、生物システムと社会構造の比較を用いて原理的に考察する。最後に、災害ホランティアが地域の中間層とつながることで、被災者の差異を乗り越えなめらかな復興が実現するように、現代社会においても〈私〉と〈公〉の差異を乗り越え中間領域での議論が活発に行われることが、民主主義の活性化へとつながり、分断を解消する点を示す。
本輪文は、極端に二極化する現代社会情勢の中、被災地の中で生じる二極化による被災者の分断について考察し、その解消の希望として、災害ホランティア活動と中間領域、そして中間層に注目したものである。まず、現代社会の二極化について、平等意識の変化と民主主義の困難によって社会問題が個人化していくことを指摘する。そして、極端な虚構化と現実への逃避という二極化によって人々が分断されている様子を、シグモイト関数を用いたメタファーで表現しながら、その背景をアメリカにおけるアドボカシーグループの台頭、生物システムと社会構造の比較を用いて原理的に考察する。最後に、災害ホランティアが地域の中間層とつながることで、被災者の差異を乗り越えなめらかな復興が実現するように、現代社会においても〈私〉と〈公〉の差異を乗り越え中間領域での議論が活発に行われることが、民主主義の活性化へとつながり、分断を解消する点を示す。
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.18910/77178
- eISSN : 2433-2739
- CiNii Articles ID : 120006887531
- CiNii Research ID : 1390009224818686592