共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

骨成長因子・骨再生材料を用いた唇顎口蓋裂患者の顎裂部骨移植術の臨床的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K09750
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

唇顎(口蓋)裂患者に行われる顎裂部骨移植術(以下、骨移植術)は、口唇口蓋裂一貫治療の中で重要な手術として広く普及し、多くの施設で行われている。
骨移植術の主な目的は、上顎骨の顎裂部骨欠損部を修復して上顎歯槽形態を改善するのみならず顎裂内に隣在歯の萌出、移動ならびにインプラント補綴などによって審美的・機能的な咬合関係をもたらすことである。現在、骨移植術で用いられる移植骨は自家骨が多く、骨移植術を行う低学年の患者では自家骨採取などに伴う痛みや術直後の歩行障害など負担はかなり大きいのが現状である。そこで、本研究ではそれらの負担を軽減するために、自家骨の代わりに骨成長因子ならびに骨再生材料を用いて骨移植術を行い、適切な骨架橋の形成や術後の矯正治療などが可能か否かを検証することとした。本年度は、琉球大学医学部附属病院歯科口腔外科(以下、当科)で15名の患者の骨移植術を行った。骨移植材は自家腸骨海綿骨を用いた。次年度から用いる骨再生材料と骨再生の状態を比較するための対照群である。
骨移植術後の評価は、これまで二次元的になされることが多かったが、骨架橋幅や矯正治療は三次元的評価が望ましいため、本研究ではわれわれが考えた基準平面を用いたコーンビームCT(以下、CBCT)による三次元的評価を行うこととした。本年度、われわれが考案したCBCTの評価によって得られた結果を日本口蓋裂学会で発表した。全例、顎裂部の骨形成は良好で術後6ヶ月のCBCTによる三次元評価はすべて良好であった。
本研究は琉球大学人を対象とする医学系研究倫理審査委員会に申請し、保険適応外の人工骨補填材、細胞由来の再生骨材料は倫理委員会の承認を得て使用するため、現在既に倫理委員会の審査に提出している。

ID情報
  • 課題番号 : 18K09750