2018年
ラマン分光法・非線形光学による術中がんイメージング技術の開発
生体医工学会大会
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- 日本語
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<p>外科領域におけるナビゲーション手術では、ICGなどの蛍光造影剤によって生体組織をリアルタイムに可視化できる光イメージング技術として、術中センチネルリンパ節同定や冠動脈バイパスグラフト造影法などですでに臨床応用されている。しかしながら、蛍光プローブを用いて術中にがん細胞自体を光らせる、がんイメージング技術に関しては、がん細胞のみを特異的にかつ高感度で検出する方法の確立が律速段階となり、実用化に至っていない。一方で、ラマン分光法や多光子励起蛍光顕微鏡を用いた、ラベルフリーでがんを可視化する革新的な光学技術の実用化が注目されている。本研究では、ヒトがん細胞を移植した動物モデルを用いて、がん転移巣と原発巣におけるがん細胞とその周辺環境の分析を独自に構築したラマン分光システムを用いて行った。その結果、原発巣と転移巣において細胞外基質の分子組成に明らかな差を認めた。これらの結果に基づいて、ヒト検体を用いた解析を行った結果、ラマン分光法および多光子励起イメージングにより、がん細胞の特徴を明らかにすることに成功した。</p>