2009年
低温発芽性と初期成長に関わる遺伝子の単離とその機能解析
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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- 巻
- 2009
- 号
- 0
- 開始ページ
- 12
- 終了ページ
- 12
- 出版者・発行元
- 日本植物生理学会
イネの低温下における発芽性は、寒冷地における直播適性確保のために重要な形質である。低温発芽性に優れるヨーロッパ産品種と日本産品種、「Dunghanshali」×「かけはし」のQTL解析によって、低温発芽性に優れるヨーロッパ産品種由来のQTLを3箇所見いだした。このうち、低温下における発芽と初期成長の良さに強く連鎖していた3番染色体のQTL領域についてシークエンス解析を行ったところ Histone-like 領域を持つ転写因子のサブユニットと思われる遺伝子上にアミノ酸置換を伴う塩基置換が起こっていた。この遺伝子のシロイヌナズナ相同遺伝子について破壊株を用いて発芽性試験を行ったところ、破壊株では野生型に比べて適温、低温下ともに発芽の遅延が見られた。また、破壊株では芽生えの生育が低温条件で強く阻害された。これらのシロイヌナズナの破壊株の形質は、イネにおいてヨーロッパ産品種に比較して日本産品種で見られる形質に似ていることから、日本産品種のイネではこの遺伝子の機能が失われる、または弱くなることによって低温発芽性に劣った形質を示したと推察される。
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/130006992286
- ID情報
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- CiNii Articles ID : 130006992286
- identifiers.cinii_nr_id : 9000391944238