共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

ナノバブルの界面特性と量子化機構に関する基礎的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H01874
体系的課題番号
JP18H01874
配分額
(総額)
17,810,000円
(直接経費)
13,700,000円
(間接経費)
4,110,000円

ナノバブル(NB)は超微小サイズの気泡で、通常の気泡にはない特異な性質を有することから洗浄や生物育成などへの応用が進められている。しかし、その基礎的特性の詳細は未解明である。我々はNBの発生に、陽極酸化法で形成した100 nm径の均一な細孔を有する多孔質アルミナ細孔薄膜に常圧程度で加圧する手法(ナノ細孔加圧法)を用いた。この手法で生成されるNBのサイズは100 nm程度であり、内包するガスも任意に選択できる。本研究は、この手法を用いて、様々なガス種を内包したNBの気液界面構造や基本的特性、特異なナノ空間気液・固液界面反応、更には固体表面との相互作用を系統的に調べることを目的としている。今年度は、生成したNBの粒径分布を、ナノ粒子トラッキング解析法を用いて調べた。
内包ガスが二酸化炭素、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウムのそれぞれについて、NanoSightナノ粒子解析システムを用いてNBの粒径分布を詳細に計測した。その結果、ガス内包NB粒径が離散的であることが確かめられた。離散的な粒径の分布は内包ガス種に関係なく観測され、さらに、分布のピーク値に一定の規則があることが判明した。この規則性を詳細に解析した結果、バブルの融合が同じバブル径同士で選択的に起こることが分かった。これらの結果はこれまでに報告されていない画期的な成果である。また、内包ガスの種類により最小粒径が異なること、また、時間の経過とともに粒径が次第に大きくなることも観測された。離散的な粒径分布の原因(気泡の合一のメカニズム)や粒径の時間変化の詳細について今後検討していく予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H01874
ID情報
  • 課題番号 : 18H01874
  • 体系的課題番号 : JP18H01874