2020年
小児がんで入院している子どもの父親が抱く入院生活の中での関心事
小児保健研究
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- 巻
- 79
- 号
- 1
- 開始ページ
- 66
- 終了ページ
- 73
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公社)日本小児保健協会
目的:小児がんで入院している子どもの父親が入院生活の中で抱く関心事を明らかにする。対象と方法:小児がんの子どもをもつ父親4人が参加した。入院中の子どもの父親のための茶話会の逐語録に対して後ろ向き記録レビューを行い、内容分析によって入院生活の中で抱く父親の関心事を抽出した。結果:父親が入院生活の中で抱く関心事は、すべての父親に語られた【母と子の入院生活】、【子どもや病気についての情報の把握】をはじめ、【仕事の調整と職場の理解】、【入院している子どもに会うこと】、【母親との考え方の違い】、【家族の中で父親としての役割を果たすこと】、【入院初期の自身の気持ちの整理】、【付き添い時の医療者とのコミュニケーション】の8要素で構成された。考察:父親は、子どもの病気や生活に関する情報の取得に高い潜在的支援ニーズをもっていると考えられた。また、【家族の中で父親としての役割を果たすこと】、【仕事の調整と職場の理解】といった関心事に示されるように、家族にとって直接的な父親の役割と経済的に家族を支える父親の仕事の両立という、家族全体を俯瞰した捉え方をしていた。これらの関心事は、【入院している子どもに会うこと】と影響を及ぼし合っていると考えられた。結論:家族内における自身の役割や行動、家族全体の情報のような父親が抱く関心事を汲んだ医療者の関わりは、父親の支援ニーズを捉えアプローチするための糸口となる。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0037-4113
- eISSN : 2433-2046
- 医中誌Web ID : 2020197062