2020年4月 - 2023年3月
天然由来化合物を基盤とした菌糸形成阻害による「予防的」抗真菌薬の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
- 課題番号
- 20K16029
- 体系的課題番号
- JP20K16029
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 4,030,000円
- (直接経費)
- 3,100,000円
- (間接経費)
- 930,000円
- 資金種別
- 競争的資金
病原性真菌Candida albicansにおける酵母形から菌糸形への形態変化を阻害する化合物を見出すこと第一の目標とし、真菌類を中心とした天然由来化合物及びその誘導体の探索を行った。
前年度より引き続き海藻やイソギンチャクに付着している真菌類を採取、単離した。それぞれのクロロホルム、酢酸エチル抽出エキスを作成し、C. albicansへの増殖阻害活性を評価した。その結果、新たに2種の海洋由来真菌(M-021、M-023株)抽出エキスに増殖阻害活性を見出した。
前年度に報告したC. albicansの増殖阻害活性を示す海洋由来真菌M-017株抽出エキスについて成分探索を行い2種の化合物を単離した。単離した化合物についてNMR、MS等を用いて構造解析を行ったところ、それぞれの化合物を芳香族ポリケチドのcurvularinおよびdehydrocurvularinであると同定した。これらの化合物についてC. albicansに対する菌糸形成阻害試験を行った。試験は、24 wellプレートを用いたプラスチック表面上とヒト肺がん細胞(A549 cells)上の二つの条件で行った。その結果dehydrocurvularinに菌糸形成阻害活性が見られた。興味深いことにdehydrocurvularinの菌糸形成阻害活性は24 wellプレート上よりもヒト肺がん細胞(A549 cells)上でより強く示すことが明らかになった。一方で分子内における二重結合の数が一つ違うcurvularinでは阻害活性を示さなかったため、dehydrocurvularinの10,11位のオレフィンの存在が活性発現に重要であることがわかった。
前年度より引き続き海藻やイソギンチャクに付着している真菌類を採取、単離した。それぞれのクロロホルム、酢酸エチル抽出エキスを作成し、C. albicansへの増殖阻害活性を評価した。その結果、新たに2種の海洋由来真菌(M-021、M-023株)抽出エキスに増殖阻害活性を見出した。
前年度に報告したC. albicansの増殖阻害活性を示す海洋由来真菌M-017株抽出エキスについて成分探索を行い2種の化合物を単離した。単離した化合物についてNMR、MS等を用いて構造解析を行ったところ、それぞれの化合物を芳香族ポリケチドのcurvularinおよびdehydrocurvularinであると同定した。これらの化合物についてC. albicansに対する菌糸形成阻害試験を行った。試験は、24 wellプレートを用いたプラスチック表面上とヒト肺がん細胞(A549 cells)上の二つの条件で行った。その結果dehydrocurvularinに菌糸形成阻害活性が見られた。興味深いことにdehydrocurvularinの菌糸形成阻害活性は24 wellプレート上よりもヒト肺がん細胞(A549 cells)上でより強く示すことが明らかになった。一方で分子内における二重結合の数が一つ違うcurvularinでは阻害活性を示さなかったため、dehydrocurvularinの10,11位のオレフィンの存在が活性発現に重要であることがわかった。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K16029
- 体系的課題番号 : JP20K16029
この研究課題の成果一覧
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論文
3-
The Journal of Antibiotics 75 530-533 2022年9月 査読有り筆頭著者責任著者
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Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 37(1) 127845-127845 2021年4月 査読有り筆頭著者責任著者
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Tetrahedron Letters 61(49) 152588-152588 2020年12月 査読有り筆頭著者責任著者