共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

HHV8陰性・形質細胞型キャッスルマン病における新規バイオマーカーの探索

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
20K07407
体系的課題番号
JP20K07407
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

キャッスルマン病は、1954年、マサチューセッツ総合病院の病理医であるDr. Benjamin Castlemanが、縦隔に限局した巨大腫瘤の1例を報告したことに始まる。これがキャッスルマン病の原型であり、現在は硝子血管型(hyaline-vascular type, HV type)と呼ばれている。1970年にFlendrigがキャッスルマン病の新たな亜型として形質細胞型(plasma cell type, PC type)の存在を報告した。これらはいずれも限局性病変であり、unicentric Castleman disease(UCD)とよばれている。1983年にFrizzeraらが、病理学的にPC type UCDに類似していながら、多発病変を形成し、臨床的にも発熱、盗汗、体重減少などの強い全身症状を伴った15例を報告し、multicentric Castleman disease(MCD)と呼ばれるようになった。後にMCDはKSHV/HHV8関連MCDとKSHV/HHV8に関連しないidiopathic multicentric Castleman disease(iMCD)に大別されるようになった。しかしながら、iMCDは未だ病態形成メカニズムが不明であり、病理学的にiMCDと診断された症例であっても治療反応性や臨床経過が異なっており、非常にヘテロな疾患単位となっている。我々は、このiMCDの明確な診断基準となり得るバイオマーカーを見出すべくRNA-seqによる解析を行った。その結果、iMCDは遺伝子発現パターンにより2群に分類されることが明らかとなった。また、IL-6免疫染色において、蛋白発現群と非発現群の2群に大別され、IL-6阻害剤の治療反応性が異なることも明らかとなった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K07407
ID情報
  • 課題番号 : 20K07407
  • 体系的課題番号 : JP20K07407