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Jan, 2020

5回の手術治療を含む集学的治療を行い長期生存が得られた進行再発直腸癌の1例

癌と化学療法
  • 奈良 篤
  • ,
  • 宇田川 勝
  • ,
  • 大西 威一郎
  • ,
  • 末吉 国誉
  • ,
  • 五木田 憲太郎
  • ,
  • 渡辺 雄一郎
  • ,
  • アディクリスナ・ラマ

Volume
47
Number
1
First page
114
Last page
116
Language
Japanese
Publishing type
Publisher
(株)癌と化学療法社

症例は68歳、女性。直腸癌(Ra、type2)に対して低位前方切除術を施行し、補助化学療法(S-1内服)を6ヵ月間施行した。翌年に吻合部再発を認めたため、放射線化学療法[pelvis 46Gy/23Fr、folinic acid+5-fluorouracil(FL)therapy×2 course]後にHartmann手術を行ったが癌組織の遺残が疑われたため、bevacizumab(BV)+capecitabine+oxaliplatin(CapeOX)療法を施行した。その後、肝転移疑いの病変が出現したためBV+FOLFIRI療法に変更するも、高度な下痢が出現したためBV+FL療法を継続し、病変に変化がないためいったん中止し経過観察をしていた。再手術から4年後に肺転移巣が出現したため肺部分切除術を施行した。その翌年にも肝転移巣に対して肝部分切除術とラジオ波焼灼術、さらに翌年にも二度目の肺部分切除術を施行した。この間、抗癌剤は適宜変更しながらも継続している。その後は全身臓器への転移が進み、初回手術後8年4ヵ月で死亡した。本症例のごとく緩徐進行性の直腸癌に対しては、術後再発に対して化学療法をベースに骨盤部放射線治療、肝転移ラジオ波焼灼術なども取り入れ、切除可能病変は積極的に切除術を施行する集学的治療にて予後の延長を図れる可能性が示唆された。(著者抄録)

ID information
  • ISSN : 0385-0684

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