論文

2015年1月

外科的切除を行った肺放線菌症3例の検討

日本呼吸器外科学会雑誌
  • 藤原 敦史
  • ,
  • 奥村 典仁
  • ,
  • 山科 明彦
  • ,
  • 中島 尊
  • ,
  • 松岡 智章
  • ,
  • 亀山 耕太郎

29
1
開始ページ
31
終了ページ
36
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.2995/jacsurg.29.31
出版者・発行元
(NPO)日本呼吸器外科学会

外科的切除を行った肺放線菌症の3症例を報告する。症例1は87歳男性。持続する血痰を主訴に受診、CT上右中葉に20mm大の結節影を認め原発性肺癌を疑い右中葉切除術を施行した。病理診断で肺放線菌症と診断。症例2は73歳女性。肺MAC症で経過観察中に大量喀血による出血性ショックで内科入院、気管支鏡検査で肺放線菌症と診断された。血痰の持続を認め症状制御も兼ねて左肺底区切除術を施行した。症例3は65歳男性。血痰・胸背部痛を主訴に受診。胸部CT上30mm大の結節影を認め、原発性肺癌を疑い左上区切除術を施行、病理診断で肺放線菌症と診断。3例とも術後から現在まで症状の再燃は認めていない。本疾患は術前診断が困難であり、肺癌の疑いで手術となり切除により確定診断された報告が多いが、術前診断が得られている場合も、血痰を伴う場合は喀血のリスクを回避する意味でも早期に病巣の切除を考慮すべきと思われた。(著者抄録)

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.2995/jacsurg.29.31
ID情報
  • DOI : 10.2995/jacsurg.29.31
  • ISSN : 0919-0945
  • 医中誌Web ID : 2015112160

エクスポート
BibTeX RIS