2020年4月 - 2023年3月
ヒト化肝臓マウスにおける肝動態の調査とマイクロイメージングバイオマーカーの確立
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究の目的は、肝臓そのものがヒトの肝臓に取って代わるヒト化肝臓マウスを用いた、人に近い肝臓機能や疾患の評価することである。具体的には高磁場MRIを始めとした、イメージングデバイスにより、 臨床では時間的制限や装置性能から得ることが難しい、分子レベルの高分解能マイクロイメージングにより、細胞変性や浸潤、脂肪酸やグリコーゲンの代謝や分布、トランスポーターを介したビリルビンの排泄機能などを、 実際に肝組織を染色した標本と比較し、イメージングバイオマーカーを確立することである。
2021年度は、2020年度に構築したMRIでの撮像条件をもとに、健常マウスの肝臓から得られるMRIインデックスの評価を行った。具体的には、高磁場MRIにおいて、T1強調画像、T2強調画像、拡散強調画像を取得し、その画像データを用い画像解析を行った。一般に、肝臓から得られるM R Iインデックスは、血流による影響が無視できず、正確な肝細胞組織の拡散情報を取得することは難しい。そのため、今回はより正確な拡散情報を取得するために、b値を0-1200 (s/mm2)の5つ取得し、さらに、サクリファイスを予定していたマウスを対象に死後直後の肝臓に対しても情報を取得し、正常な肝細胞組織が各インデックスに与える影響を評価した。その結果、拡散の異方性を評価するインデックスであるFractional anisotropy (FA)値からわずかに拡散の異方性があることがわかった。さらに、見かけの拡散係数(ADC)から、灌流の影響が無くなった時点で、拡散係数の値が低下した為、灌流の影響は考慮する必要があることがわかった。さらに高いb値で拡散係数を評価した場合、その値の低下が少なかったため、ある程度大きなb値で評価することが望ましいこともわかった。
2021年度は、2020年度に構築したMRIでの撮像条件をもとに、健常マウスの肝臓から得られるMRIインデックスの評価を行った。具体的には、高磁場MRIにおいて、T1強調画像、T2強調画像、拡散強調画像を取得し、その画像データを用い画像解析を行った。一般に、肝臓から得られるM R Iインデックスは、血流による影響が無視できず、正確な肝細胞組織の拡散情報を取得することは難しい。そのため、今回はより正確な拡散情報を取得するために、b値を0-1200 (s/mm2)の5つ取得し、さらに、サクリファイスを予定していたマウスを対象に死後直後の肝臓に対しても情報を取得し、正常な肝細胞組織が各インデックスに与える影響を評価した。その結果、拡散の異方性を評価するインデックスであるFractional anisotropy (FA)値からわずかに拡散の異方性があることがわかった。さらに、見かけの拡散係数(ADC)から、灌流の影響が無くなった時点で、拡散係数の値が低下した為、灌流の影響は考慮する必要があることがわかった。さらに高いb値で拡散係数を評価した場合、その値の低下が少なかったため、ある程度大きなb値で評価することが望ましいこともわかった。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K16807
- 体系的課題番号 : JP20K16807