2016年10月
カボチャ(Cucurbita pepo L.)におけるヘプタクロル類吸収の遺伝モデル
The Horticulture Journal
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- 巻
- 85
- 号
- 4
- 開始ページ
- 315
- 終了ページ
- 321
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.2503/hortj.MI-097
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 園芸学会
<p>本研究では,カボチャ(<i>Cucurbita pepo</i> L.)を用いてヘプタクロル類の吸収性の遺伝様式を明らかにすることを目的とした.ヘプタクロル類に対して極低吸収を示す'Patty Green'と高吸収を示す'豊平 2 号'を用いた.F<sub>1</sub> のヘプタクロル類吸収量は正逆交雑とも高吸収側に部分優性遺伝することが示された.また,F<sub>2</sub> では極低吸収側と吸収側とに約 1:5 に分離した.ヘプタクロル類の吸収に 2 対の遺伝子が関与している場合は分離比が 1:13 となる抑制遺伝が最も適合した.ヘプタクロル類の吸収阻害遺伝子を <i>N</i> とすると,抑制遺伝子 <i>I</i> は <i>N</i> を抑制するが, <i>i</i> に <i>N</i> の抑制効果が無い場合(<i>II</i> または <i>Ii</i> は <i>NN</i> または <i>Nn</i> を抑制),'Patty Green'は遺伝子型 <i>iiNN</i>,'豊平 2 号'は遺伝子型 <i>IInn</i> をもつ.加えて,吸収側における量的な遺伝を説明するために 3 対の遺伝子の関与を想定した.'Patty Green' の遺伝子型は <i>aabbcc</i>,'豊平 2 号'の遺伝子型は <i>AABBCC</i> で,異なる 2 つ以上の優性遺伝子の協働によってヘプタクロル類を吸収すると仮定すると,F<sub>2</sub> はヘプタクロル類非吸収(<i>Abc</i>:<i>aBc</i>:<i>abC</i>:<i>abc</i>)とヘプタクロル類吸収 (<i>ABC</i>:<i>ABc</i>:<i>AbC</i>:<i>aBC</i>)に分かれた.この場合の期待比は 10:54 となり,χ<sup>2</sup> 検定により観察値と適合した.この期待比は戻し交雑の自殖後代においても適合することが示された.しかしながら,ヘプタクロル類吸収の量的な違いを遺伝的に解明するにはさらなる検討が必要であった.</p>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2503/hortj.MI-097
- ISSN : 2189-0102
- eISSN : 2189-0110
- CiNii Articles ID : 130005433282
- identifiers.cinii_nr_id : 9000345433789
- Web of Science ID : WOS:000385903000003