J-PARC水銀ターゲット容器の堅牢性向上へ向けた設計・製作および検査手法の改良
日本中性子科学会第16回年会(JSNS 2016)
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- 開催年月日
- 2016年12月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 名古屋
- 国・地域
- 日本
2015年に500kWの陽子ビーム出力で運転中であった水銀ターゲットの保護容器で不具合が生じたため、その原因分析を行ってきた。その結果、これらの不具合は設計段階の解析評価で予見することが困難な条件、つまり材料選定や接合・溶接手法、試験検査を含めた製作手順などの要因により、容器壁内に微小な初期欠陥が生じた事に起因する可能性の高いことが分かった。このような不具合の再発を防止し、高出力運転における水銀ターゲット容器の堅牢性・信頼性を向上させるため、ワイヤー放電加工を用いた部材製作で溶接部を減らすとともに、放射線検査、超音波検査を積極的に導入し、溶接・接合部の健全性を確認する方針とした。具体的には体積発熱の大きな前半部は、水銀容器と保護容器を含めて全てステンレスのブロックから切り出す一体構造とし、後半部も部材点数を減らすことで、全体の溶接線長さを70\%低減している。また、超音波検査は新たな計測手法の検討を行っており、初期欠陥の検知精度を向上させるべく改良を行っている。本発表では、これらの設計・製作・検査手法の改良と、新たな水銀ターゲット容器の製作状況について報告する。