共同研究・競争的資金等の研究課題

2014年4月 - 2016年3月

マイクロピラー圧縮試験によるLPSO相の変形機構解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
26109712
体系的課題番号
JP26109712
配分額
(総額)
7,410,000円
(直接経費)
5,700,000円
(間接経費)
1,710,000円

...新規Mg-TM-RE三元系合金の優れた力学特性発現メカニズムにはMg-LPSO相の存在が大きく関与すると考えられている一方で,Mg-LPSO相そのものの力学特性,変形機構については未だ不明な点が多い.本研究では,新しい力学特性評価法であるマイクロピラー圧縮試験と透過電子顕微鏡法(TEM)を最大限に駆使した欠陥構造解析により,Mg-LPSO相で活動可能な変形モードおよびその活動様式,活動条件の同定を行うことを目的とした.本年度は昨年度までに同定した,積層構造ならびに構造ブロック内におけるZn6Y8原子クラスターの面内配列構造の異なる様々なMg-Zn-Y系LPSO相の中から,不完全な面内Zn6Y8原子クラスターの配列を有する14H型,18R型LPSO相の2種類,さらに面内配列が完全規則化した18R型LPSO相の3種類について,荷重軸ならびに試料サイズの関数として単相マイクロピラー圧縮試験を行った.その結果,14H型LPSO相において,底面すべり,変形双晶,柱面すべり,錐面すべりの4種の異なる変形モードの活動を同定するとともに,各変形モードの臨界分解せん断応力(CRSS)の試験片サイズ依存性をもとにバルク結晶のCRSSの推定値を得た.さらに底面すべりならびに変形双晶について,それらのCRSSに対する結晶構造の影響を明らかにした.また変形双晶の形成される結晶方位については,SEM内におけるその場圧縮試験により,その形成過程を明らかにした.TEMによる欠陥構造解析では底面すべりの起きる原子層間の同定,変形双晶の詳細を解明した.さらに類似の積層結晶構造を有するTi3SiC相単結晶についても同様のマイクロピラー圧縮試験を行い,LPSO相の変形挙動との相違点を明らかにし,それらの比較からMg-LPSO相の塑性変形の特異性の考察を行った.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-26109712
ID情報
  • 課題番号 : 26109712
  • 体系的課題番号 : JP26109712