2017年9月
イオンチャネリングのドーナツ効果における荷電分布
日本物理学会2017年秋季大会(物性)
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- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 盛岡(日本)
加速器質量分析では、測定目的核種である放射性核種と、この安定同重体との分別が必須である。我々は、従来の電離箱を用いた同重体分別方法に替わるものとしてコヒーレント共鳴励起を基にした方法を開発している。この基盤となる技術は、チャネリングしたイオンの荷電分布の取得である。しかしながら軸チャネリングを起こすための単結晶薄膜への入射角度の近傍では、ドーナツ効果によりビームが輪状に広がることがあるが、この時の荷電分布は一般的に知られておらず、本研究ではドーナツ効果の下での荷電分布を実験的に調べた。実験で得られた偏向分布とビームプロファイルを基に荷電分布を数値的に求めると、この場合の平均電荷は3.70となり、文献で知られる平衡電荷よりも有意に高いことが分かった。