2019年4月 - 2023年3月
ロバストな擬似事後分布に対する漸近的な解析に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
2019年度は以下の研究について行った.
(i)外れ値にロバストな擬似事後分布の漸近展開についての研究を行った. 漸近展開を行うことで, 標本数がより少ない場合の推定量の挙動を近似的に評価することが可能になった. その応用として, 客観事前分布(Objective prior)の一つであるMoment Matching priorの多次元での導出を行い, 数値実験等を用いて有用性を示した. またReference priorとMoment Matching priorがγ-divergenceに基づいた疑似事後分布(γ-posterior)の場合は汚染分布と汚染率に依らないことがわかった. さらに漸近有効性にも触れ, 漸近相対効率の計算を平均と分散が未知の正規分布の場合で計算を行い, ハイパーパラメータの選択についての一つの指標を導出した. しかしながら, この指標は十分ではなく, 今後の十分な理論解析が必要である. 本研究の成果は国内外の学会において, 発表を行った. 現在, この結果に関しては広島大学の橋本 真太郎先生との共同研究として論文にまとめて投稿中である.
(ii)城西大学の清水 優祐先生とともにロバストな擬似事後分布の時系列や拡散過程モデルなどの従属したデータへのγ-posteriorの拡張をするための理論的な背景をまとめた. またシミュレーションを用いて, どの程度の精度があるかを確めた. さらに清水先生とは密に連絡を取り合い, 漸近性質の一部を導出することができた.
(iii)本研究ではこれまでHuberの混合モデルを用いて大標本漸近理論でロバスト性を考えてきたが, Desgagne(2015)などでは外れ値が大きくなる漸近理論を用いてベイズ推定のロバスト性を示しており, 本研究に用いるため理論背景を整理した.
(i)外れ値にロバストな擬似事後分布の漸近展開についての研究を行った. 漸近展開を行うことで, 標本数がより少ない場合の推定量の挙動を近似的に評価することが可能になった. その応用として, 客観事前分布(Objective prior)の一つであるMoment Matching priorの多次元での導出を行い, 数値実験等を用いて有用性を示した. またReference priorとMoment Matching priorがγ-divergenceに基づいた疑似事後分布(γ-posterior)の場合は汚染分布と汚染率に依らないことがわかった. さらに漸近有効性にも触れ, 漸近相対効率の計算を平均と分散が未知の正規分布の場合で計算を行い, ハイパーパラメータの選択についての一つの指標を導出した. しかしながら, この指標は十分ではなく, 今後の十分な理論解析が必要である. 本研究の成果は国内外の学会において, 発表を行った. 現在, この結果に関しては広島大学の橋本 真太郎先生との共同研究として論文にまとめて投稿中である.
(ii)城西大学の清水 優祐先生とともにロバストな擬似事後分布の時系列や拡散過程モデルなどの従属したデータへのγ-posteriorの拡張をするための理論的な背景をまとめた. またシミュレーションを用いて, どの程度の精度があるかを確めた. さらに清水先生とは密に連絡を取り合い, 漸近性質の一部を導出することができた.
(iii)本研究ではこれまでHuberの混合モデルを用いて大標本漸近理論でロバスト性を考えてきたが, Desgagne(2015)などでは外れ値が大きくなる漸近理論を用いてベイズ推定のロバスト性を示しており, 本研究に用いるため理論背景を整理した.
- ID情報
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- 課題番号 : 19K14597
- 体系的課題番号 : JP19K14597