2020年11月
【高齢者早期胃癌ESDの現状と問題点】高齢者早期胃癌の病理学的特徴
胃と腸
- 巻
- 55
- 号
- 12
- 開始ページ
- 1449
- 終了ページ
- 1460
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)医学書院
<文献概要>80歳以上の高齢者の早期胃癌の病理学的特徴を明らかにする目的で,内視鏡的に切除された232例250病変,外科的切除された74例86病変を対象として,80歳以上の"高齢者"と79歳以下の"非高齢者"に分類して臨床病理学的所見を比較検討した.その結果,高齢者で女性患者比率の増加,隆起型の増加が有意に認められた.また,外科的切除症例で組織型に低分化腺癌の比率が増加する傾向がみられた.進行癌と比較すると,高齢者早期胃癌は分化型癌の比率が極めて高かったが,組織混在型の出現に年齢との関連はみられなかった.今回の検討で高齢者にみられた特徴は,従来の高齢者(65歳以上)の特徴として知られている所見(幽門部発生,隆起型,分化型癌,多発癌の増加,低リンパ節転移)とほぼ同様であり,その特徴がより明瞭になる傾向にあった.
- ID情報
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- ISSN : 0536-2180
- eISSN : 1882-1219
- 医中誌Web ID : 2021063373