2010年2月
不等像視検査法の比較検討
眼科臨床紀要
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 3
- 号
- 2
- 開始ページ
- 149
- 終了ページ
- 155
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
不等像視の定量的検査法として現在、直接比較法のNew Aniseikonia Tests(NAT)が一般に使用されているが、再現性に乏しく定量性が低いことが指摘されている。今回、直接比較法とは測定原理の異なる、空間覚を利用した方法のSS BASICを用い、NATとの比較・検討を行った。対象は、屈折異常以外に眼科的疾患のない30名である。方法は、両眼を完全矯正後、右眼に3%と5%のサイズレンズを用いて2種類の人工的不等像視を作成した後、SS BASIC、NAT、およびNATの視標とSS BASICのサイズレンズとを組み合わせたNAT変法の3種類の検査法で不等像視を測定した。3%の人工的不等像視の測定結果は、SS BASICでは2.91%、NATでは1.55%、NAT変法では1.33%であった。5%の測定結果は、それぞれ4.20%、2.48%、2.06%であった。NAT、NAT変法では、不等像視が実際よりも小さく測定された。これに対してSS BASICは比較的高い精度で不等像視を定量することができた。したがって、不等像視の定量的検査は、空間覚を利用した方法に基づくものが妥当であることが実証された。(著者抄録)
- ID情報
-
- ISSN : 1882-5176