MISC

2008年6月27日

1次元セルオートマトンにおけるカスケード過程

電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題
  • 蜷川 繁

108
103
開始ページ
49
終了ページ
54
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
一般社団法人電子情報通信学会

単純(1次元2状態3近傍)セルオートマトンのうち,加法性を満たすルール60および90は,周期境界条件下でセル数が2のべき乗個の場合,一定ステップ数までに任意の初期様相のパリティを計算する能力をもつことが証明されている.これらのセルオートマトンにおいてランダムな初期様相から開始したパリティ計算の過程をスペクトル解析を用いて調べたところ,ステップが進むにつれて空間的な周期性が発生し,長い周期のパターンが短い周期へと分裂することがわかった.これは乱流において,大きな渦が小さな渦に分裂するカスケード過程のアナロジーと考えることができる.さらに5近傍の加法的セルオートマトンにおいても同様の現象が確認されたが,17近傍では急速に安定状態に落ち着くためカスケード過程のようなスペクトルの遷移は観測されなかった.これらの結果はセルオートマトンの半径と流体の粘性との間のアナロジーを示唆する.

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006937471
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10060800
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/9572205
ID情報
  • ISSN : 0913-5685
  • CiNii Articles ID : 110006937471
  • CiNii Books ID : AN10060800

エクスポート
BibTeX RIS