2019年7月
半月体形成性腎炎を呈したC3腎炎の4歳女児
日本小児腎不全学会雑誌
- 巻
- 39
- 号
- 開始ページ
- 119
- 終了ページ
- 122
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本小児腎不全学会
患者は4歳3ヵ月女児。嘔吐と発熱から腎障害を指摘され緊急入院となった。BUN 98.2mg/dL、Cr 4.25mg/dL、尿蛋白(2+)、尿潜血(3+)、尿蛋白/Cr比7.73と高度の腎障害と血尿・蛋白尿を認めていた。血清C3が50mg/dLと軽度低値で、ANCAや抗GBM抗体は陰性であった。腎生検で63%の糸球体に細胞性半月体を認め、IFでC3の優位な沈着を認めた。血液透析、血漿交換、ステロイドパルス、シクロホスファミド静注、プレドニゾロン(PSL)内服などで腎機能障害や尿所見は正常化し、5歳6ヵ月時にPSLを中止した。しかしながら、6歳6ヵ月時に血尿と蛋白尿が再燃し、再生検で半月体はなかったものの、C3がメサンギウムに優位に沈着していた。PSLとミコフェノール酸モフェチルで尿所見は速やかに改善した。血清C3 nephritic factorは、発症時と寛解時は陰性であったが、再燃時に陽転化しており、C3腎炎と診断した。補体関連遺伝子の解析では変異を認めなかった。本患者は、半月体形成性腎炎を呈したC3腎炎での最年少報告例である。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 1341-5875
- 医中誌Web ID : 2020019685