共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

就労支援を受けた刑事施設等出所者の就労維持に関する心理-社会的要因

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K01342
体系的課題番号
JP19K01342
配分額
(総額)
3,120,000円
(直接経費)
2,400,000円
(間接経費)
720,000円

本研究は、刑事施設等出所者の就労維持に関わる要因について、出所者を対象とした調査により心理社会的視点で検討することを目的としている。
当該年度は、文献調査を行うとともに、国際学会参加、オンラインやメールを活用した諸外国の研究者との意見交換を行った。リスクアセスメントの視点、強みを生かした出所後の支援計画の方向性について検討し、就労支援のベースとなる「本人の目標」や「人生の価値」に関する認知的な側面の影響が生活維持に重要であることが指摘された。
我が国における就労支援の状況と課題について、更生保護施設、地域生活定着支援センター、自立準備ホームなど出所者の生活および雇用に関わる支援者、また保護司との意見交換を行い、特に新型感染症対策により、社会経済が滞っている現状下における具体的な支援の課題について再検討を行った。特に、対面での面接やフォローアップが制限されていることでの弊害が多くみられた。加えて、協力雇用主、自立準備ホーム運営者、刑事施設就労支援スタッフをシンポジストした研究会を開催し、就労支援のみならず生活支援、特に居宅支援に関する検討を行った。現行の就労支援においては、就労と住居の確保が同じ枠で進められることが多く、就労が維持されないことにより生活の場も失われる可能性が高い。この点に着目した考察が必要であることが示唆された。
また、確定した本調査の内容について、円滑な地域移行の支援を目指す保護観察所職員と意見交換を実施し、既存の尺度と併せて、現在の社会状況をふまえた調査項目を検討し確定した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K01342
ID情報
  • 課題番号 : 19K01342
  • 体系的課題番号 : JP19K01342