2014年10月
超低出生体重児の消化管機能の成熟に向けた治療戦略 肺サーファクタントと胎脂を用いた動物実験
日本肺サーファクタント・界面医学会雑誌
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- 巻
- 45
- 号
- 開始ページ
- 16
- 終了ページ
- 27
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本肺サーファクタント・界面医学会
超低出生体重児の消化管機能の成熟に向けた治療戦略について肺サーファクタントと胎脂を用いた動物実験により検討した。新生仔ラットの壊死性腸炎モデルを確立後、サーファクテン(STA)と胎脂を用いて作成したSTAミセル溶液による壊死性腸炎予防効果を検討した。STAの臨界ミセル濃度は80μg/mLであった。STAは水溶液中で直径10ないし70nmの球状、環状のミセル分子を形成した。新生仔ラットが壊死性腸炎を発症すると、体重は、出生時よりも平均で0.64g減少したが、STAミセル溶液を予防的に投与することにより、僅かではあるが体重が増え個体も出現した。STAミセル溶液を投与する事により、新生仔ラットの生存率は33.3%から69.0%へ改善した。STAミセル溶液投与群では、肉眼的重症度スコア、組織学的重症度スコア、アポトーシスインデックスの全ての項目において有意に改善した。
- ID情報
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- ISSN : 1882-1812
- 医中誌Web ID : 2015325434