2011年7月16日
物体と顔の魅力度評定における系列効果
電子情報通信学会技術研究報告
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- 巻
- 111
- 号
- 155(HIP2011 27-42)
- 開始ページ
- 63
- 終了ページ
- 68
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 一般社団法人電子情報通信学会
順番に呈示される刺激に対して物理的特性(光の明るさ、音の大きさなど)の評価を行うと、呈示された刺激に対する評定が、先行する刺激や、その刺激に対する評価の影響を受けることが知られている(系列効果;Holland & Lockhead, 1968)。近年では、この系列効果は物理的特性の評定のみならず、価格のようなより高次の評価においても生じることが報告されている(Matthews & Stewart, 2009)。しかし、この系列効果が、魅力度のような主観的な判断を行う場合にも生じるのかは明らかではない。そこで本研究では、顔や物体の画像に対して魅力度を評定する際に、系列効果が生じるかを検討した。実験参加者は、顔画像または様々なカテゴリーの物体画像に対して、魅力度を7件法で評価した。その結果、呈示された刺激の評定値は直前の試行の評定値に近づく傾向が見られた。さらに、呈示された刺激と直前の試行の刺激のカテゴリ門が異なるときには、同じカテゴリーの時に比べて、直前の評価の影響が弱まることが示された。以上の結果は、主観的な魅力度の評定においても系列効果が生じること、系列効果は同じカテゴリーの刺激に対しておこることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0913-5685
- J-Global ID : 201102296269778900
- CiNii Articles ID : 110008801354
- CiNii Books ID : AN10487237