論文

2012年2月

成人用ヒューバー針によりポート後壁破損をきたした在宅静脈栄養管理の2例

臨床栄養
  • 小林 久美子
  • ,
  • 塚田 真実
  • ,
  • 大山 俊之
  • ,
  • 窪田 正幸
  • ,
  • 仲谷 健吾
  • ,
  • 奥山 直樹
  • ,
  • 荒井 勇樹

120
2
開始ページ
225
終了ページ
228
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
医歯薬出版(株)

当科で皮下埋め込み型中心静脈ポートを用いた在宅静脈栄養(HPN)を行っている小児2例に、まれな合併症であるヒューバー針によるポート後壁破損を経験した。症例1はMMIHS(megacystis microcolon intestinal hypoperistalsis syndrome:巨大膀胱・狭小大腸・腸蠕動不全症候群)の女児。4歳よりポートによるHPNを行い、ポート留置から1年後に閉塞にてポート入れ替え術を施行。その4ヵ月後に穿刺部皮膚より輸液漏れを認め、入れ替えを行ったところ、ポート後壁破損を認めた。さらにその9ヵ月後にも同様にポート後壁破損を認めたため、プラスチック製からチタン製のポートに変更した。ポート後壁破損は予防できたが、針の先端が後壁にあたって屈曲し、抜去時に皮膚を傷める合併症が発生し、最終的にブロビアックカテーテルに変更した。症例2は先天性横隔膜ヘルニア術後に潰瘍性大腸炎を発症した女児。5歳から、ポートによるHPNに移行したが、1年2ヵ月後発熱と輸液注入時の疼痛を認めたためポート抜去術を施行したところ、ポート後壁破損を認めた。その後は家族の希望もありブロビアックカテーテルに変更した。ポート破損の原因は穿刺針が成人用の規格であったため深く刺入しすぎたためと考えられた。ポート後壁破損はまれではあるが小児においては留意すべき合併症と考えられ、適切な機材の選択が予防に重要と考えられた。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 0485-1412
  • 医中誌Web ID : 2012121659

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