2016年10月
医療モール・マネジメントの展望
武蔵野大学政治経済研究所年報
- ,
- 巻
- 13
- 号
- 13
- 開始ページ
- 219
- 終了ページ
- 235
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 武蔵野大学政治経済研究所
本論文の目的は、経営学的観点からメディカルモールの抱える現状をレビューし諸問題を明らかにするとともに、実務上・経営上の課題を導出することである。将来的にメディカルモールを研究するにあたり前提となる諸情報や先行研究を整理し、将来の研究への礎としたいと考えている。2000年ころより、複数のクリニック(診療所)を地理的に一カ所に集めて経営し、受付業務・検査設備などの共用によりコストメリットを追求するとともに、顧客がワンストップで複数の専門医の診察を受けることができるという付加価値を提供するビジネスモデルを持つ「メディカルモール」が全国で盛んに作られるようになった。コンセプトやビジネスモデルは合理的であると思われたこの医療形態は、瞬く間に普及したものの、2010年ころより縮小や閉鎖が目立つようになってきた。高い期待に対して必ずしも満足とはいえない結果の背景には、法律や経営上の問題点に対する意識不足が指摘できる。こうした状況に、経営学の知見はさまざまな形で貢献することが可能である。とりわけ、組織論や経営戦略論は、メディカルモール事業そのものの経営にも、そこに属する個々のクリニックの経営にも、実り多い示唆を持ちうるだろう。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 2185-2170
- CiNii Articles ID : 120006304527
- CiNii Books ID : AA12405355