論文

査読有り
2023年8月

大気中に放出された放射性核種の放出源情報推定手法の利用可能な環境モニタリングデータへの依存性とそのリアルタイム放出源情報推定への適用性

Journal of Nuclear Science and Technology
  • 寺田 宏明
  • ,
  • 永井 晴康
  • ,
  • 門脇 正尚
  • ,
  • 都築 克紀

60
8
開始ページ
980
終了ページ
1001
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1080/00223131.2022.2162139

原子力事故により大気放出された放射性核種の放出源情報と環境中時間空間分布の再構築手法の確立が緊急時対応に必要である。そこで、大気拡散シミュレーションと環境モニタリングデータを用いたベイズ推定に基づく放出源情報推定手法の様々な環境モニタリングデータの利用可能性に対する依存性を調査した。さらに、事故直後に実施するリアルタイム推定への本手法の適用性を調査した。様々な環境モニタリングデータの組み合わせに対する福島第一原子力発電所(1F)事故の放出源情報推定結果の感度解析から、正確な放出源情報推定には高い時間空間分解能のデータの利用と大気中濃度と地表沈着量の両方のデータの利用が有効であることが示された。また、1F事故時の環境モニタリングデータ取得状況に適用された仮想的なリアルタイム推定実験により、本手法は、地表汚染の概況の早期把握とおおよその事故規模の評価に必要な放出源情報を推定可能であることが明らかとなった。環境モニタリングデータの即時オンライン取得と、計算出力データベース蓄積のための大気拡散計算の運用システムが整備されれば、本手法により放出源情報の準リアルタイム推定が可能となる。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1080/00223131.2022.2162139
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5075515
ID情報
  • DOI : 10.1080/00223131.2022.2162139
  • ISSN : 0022-3131

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