$^{137}$Cs濃集メカニズムとしてのきのこによる有機酸の生産
第91回日本生化学会大会
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- 開催年月日
- 2018年9月
- 記述言語
- 英語
- 会議種別
- 開催地
- 京都
- 国・地域
- 日本
2011年の福島原子力発電所事故により大量の放射性核種が拡散した。7年が経過したが、$^{137}$Csは半減期が長くかつ森林にその多くが残存しており、主な問題の一つとなっている。セシウムはきのこなどの生物に取り込まれたり蓄積したりする可能性がある。その結果として、食物連鎖中にセシウムが取り込まれ、環境中を循環してしまうことが考えられる。きのこによる土壌からのセシウムの取り込み機構を解明することは、セシウムの環境動態の把握の鍵となる。土壌中において、セシウムは粘土鉱物に強く固定されているため、生物はほとんど利用できない。しかし、きのこによって生産される有機酸やシデロホアは、鉱物表面からセシウムを取り除き、生物が利用できるようにする可能性を有している。そこで本研究では、セシウム蓄積能力を事前に評価したおよそ1000の保存株からいくつかを選択した。生産する有機酸をGC-MSで同定し、HPLC-ICP-MSで定量した。これらの有機酸を用いて、セシウム脱離試験を行い、シデロホア試薬との比較を行った。