2020年3月
充実性血管芽腫における[11C]methionine PET imaging
CI研究
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- 巻
- 41
- 号
- 3-4
- 開始ページ
- 149
- 終了ページ
- 155
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本脳神経CI学会
症例1は55歳男性で、数年前からのふらつきを主訴に受診した。MRIで、左小脳半球に周囲の浮腫を伴った、造影効果のある1cm大の腫瘍性病変を認めた。1年の経過観察中に増大を認め、悪性腫瘍を疑い[11C] methionine(MET)陽電子放射線断層撮影(PET)を施行した。造影病変に一致した取り込みの上昇を認め、T/N比は1.94であった。血管造影検査で著明な腫瘍濃染像を呈しており、Hemangioblastoma(HB)を疑い開頭腫瘍摘出術を施行した。術後の病理所見はHBであった。症例2は30歳男性で、上肢の強直性けいれんで発症し、救急搬送された。MRIでは右頭頂葉にT1強調画像で等信号、T2強調画像で高信号、周囲に浮腫を伴い均一な造影効果のある1cm大の腫瘤性病変を認めた。MET PETでは腫瘤に一致して軽度取り込みの上昇を認め、T/N比は1.71であった。術前診断としてはhigh grade glioma、原発不明の転移性脳腫瘍などを疑い開頭腫瘍摘出術を行った。病理診断にてHBが確定した。症例3は77歳男性で、72歳時に視床梗塞を発症し、MRIで偶然右小脳半球に腫瘍性病変を認めた。MRIでは、右小脳半球に周囲の浮腫を伴い、均一な造影効果のある1cm大の腫瘍性病変を認めた。MET PETの取り込みは上昇しており、T/N比は2.03であった。肺癌原発の転移性脳腫瘍を疑い開頭腫瘍摘出術について検討していたが、手術を希望されず経過観察となっていた後、通院を自己中断された。5年後に失調症状を主訴に当科を再受診、MRIでは腫瘍は嚢胞を伴って著明に増大しており、HBの典型的な画像所見を呈していた。開頭腫瘍摘出術を施行し、病理診断にてHBと確定した。
- ID情報
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- ISSN : 0918-7073
- 医中誌Web ID : 2020274190