type:論文
「おいしさ」は，「食」に豊かさを付与する楽しみや喜びをともなう感覚的なもの(快感)である。ヒトが感じるおいしさは，複数の因子によって構成され，それらは物性的な要因と非物性的な要因に大別される。前者に関するおいしさの評価法は，味覚の受容体から脳内情報処理に至る経路などの分子基盤も含め，多くの知見が得られ研究が進展している。一方，後者に関するおいしさの評価法はいまだ不明な点が多い。このたび，我々は，チーズにおいて提案された複数の非物性的な要因を統合する総合的なおいしさの評価法を，日本酒のおいしさの評価に適用した。本稿では，料理とともに味わう日本酒のおいしさの評価，その新たな試みについて概略と展望を紹介したい。
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