絵画と光彩と音楽を融合させた体感型の総合芸術である「フィーリングアーツ」(FA)のリラックス効果を生理学的、心理学的に明らかにすることを目的に、兵庫県看護協会主催の「町の保健室」事業の一環として、西宮市内および明石市内の阪神・淡路大震災復興住宅(2ヶ所)で行われた「FA」公演の参加者23名(住民2名、看護職者13名、看護学生8名)へ公演前後に日本版STAI検査を行うとともに、9名を対象に安静時および「FA」公演中の心拍測定を行った。その結果、STAI検査では、公演後に「状態不安得点」が有意に低下しており、公演前の「特性不安得点」が45以上の「高不安」群において、とくに不安低減効果が大きいことが分かった。また、心拍測定では、9名中5名の「FA」公演中の心拍レベルは、安静時より有意に低く、「FA」のリラックス効果が示唆された。