MISC

2016年8月

介護保険施設における歯科医師、歯科衛生士の従事状況に関する検討

日本歯科医療管理学会雑誌
  • 小野 幸絵
  • ,
  • 白野 美和
  • ,
  • 小松崎 明
  • ,
  • 江面 晃
  • ,
  • 鴨田 剛司

51
2
開始ページ
96
終了ページ
102
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本歯科医療管理学会

本研究の目的は、介護保険施設における歯科医師、歯科衛生士の従事状況を既存資料から分析し、今後の歯科医師、歯科衛生士の介護分野における需給などについて検討することである。使用資料は、2014年に厚生労働省が実施した介護サービス施設・事業所調査、同年に実施された医療施設調査および医師・歯科医師・薬剤師調査である。職種間および都道府県間で歯科医師、歯科衛生士の従事状況の比較、各調査から得た指標との関連性を分析した。その結果、介護保険3施設での歯科医師、歯科衛生士の常勤換算従事者数はきわめて少数で、両職種とも全従事者総数の1%未満にとどまっていた。医師数を100とした歯科医師数の割合は、介護老人福祉施設では6.0%、介護老人保健施設では0.4%にとどまっていた。都道府県別の医療従事歯科医師1人当たりの介護保険施設定員数の値は、東京など大都市圏は10人未満であるが、秋田など地方の9県では15人以上の値となっていた。各都道府県の人口10万対医療従事歯科医師数と医療従事歯科医師1人当たりの介護保険施設定員数の順位相関係数を求めた結果、負の相関(r=-0.70、p<0.01)が認められた。本研究の結果から、介護保険施設での歯科医師、歯科衛生士の業務従事量は他職種より少なく、歯科医師数が少ない地方の県で、歯科医師1人当たりの介護保険施設の定員数は多い傾向が認められた。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0387-5687
  • 医中誌Web ID : 2016403676

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