2020年4月 - 2023年3月
2種類の方位選択性網膜神経節細胞の機能における差異の同定を目指して
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
私たちが目にしている様々な情報(視覚情報)は、受容器である網膜が受け取り、網膜内の局所神経回路で処理される。その処理結果が、網膜の出力細胞である網膜神経節細胞(RGC)から活動電位というかたちで大脳視覚野に送られる。つまり、脳は網膜で作られた活動電位のパターンの違いを読み取ることで、私たちが見ている様々な視覚情報を再構築していると考えられている。RGCには、グルタミン酸受容体を介して双極細胞が興奮性入力し、GABAやグリシン受容体を介してアマクリン細胞が抑制性入力する。興奮性入力と抑制性入力のバランスにより、RGCの活動電位パターンが決定する。RGC、双極細胞、アマクリン細胞はそれぞれ複数のサブタイプが存在し、サブタイプごとに異なる入力を受ける。そのため、各RGCの活動電位パターンを含めた機能を明らかにするためには、まずそのRGCと直接シナプス結合する双極細胞とアマクリン細胞について、つまり局所神経回路の理解が必要となる。私たちは、キンギョで2種類の方位選択性RGCの所見を得た。そこで、それらの違いを明らかにするために、それぞれのRGCが作り出す局所神経回路を形態学的に明らかにすることを目的としている。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K06900
- 体系的課題番号 : JP20K06900