2019年4月 - 2024年3月
脊髄におけるグレリンの大腸運動亢進作用機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
グレリンは、脊髄腰仙髄部の排便中枢に作用して、大腸運動を亢進する。しかしこの大腸運動亢進作用は主にin vivoの実験系で現象としてとらえられているのみであり、その詳細なメカニズムは不明である。本研究は、脊髄におけるグレリンの大腸運動亢進作用について、脊髄から大腸への経路における作用機序の詳細解明をすることを目的とする。本年度は前年度に引き続き、以下の実験を行った。
(1)グレリンの大腸における作用部位を詳細に特定:麻酔下のラットを用い、グレリンを脊髄腔内に投与した際の大腸運動を測定した。本年度以前の実験により、グレリンは大腸の直腸領域の運動を亢進させることが明らかになっており、直腸から肛門の領域について同一個体で同時に複数箇所の内圧を測定し、グレリン投与時の大腸運動について確認した。
(2)グレリンの作用発現時における神経の出力を確認:麻酔下ラットの骨盤神経に記録電極を留置し、グレリン投与時における神経の複合活動電位記録を試みた。長らく活動記録には至っていなかったが、本年度はようやく、神経活動電位と思われる記録に成功した。しかしながらまだ例数も少なく、現在、手技の安定化を目指し実験を重ねている。
(3)脊髄神経細胞における作用を解析:パッチクランプ法を用いて、グレリンの作用点である脊髄において、ニューロンに惹起される変化を明らかにすることを試みた。神経標識色素を新生ラットの腹腔内に投与し、脊髄に存在する腹腔内臓器支配神経をあらかじめ逆行性に標識した脊髄スライス標本を作製し、パッチクランプ法により神経活動記録を行うことを目的とした。前年度の予備実験に続き、条件検討の実験を行っており、脊髄ニューロンが標識色素により染色されること、また染色される細胞の局在について確認したが、グレリン投与時の反応記録には至っていない。
(1)グレリンの大腸における作用部位を詳細に特定:麻酔下のラットを用い、グレリンを脊髄腔内に投与した際の大腸運動を測定した。本年度以前の実験により、グレリンは大腸の直腸領域の運動を亢進させることが明らかになっており、直腸から肛門の領域について同一個体で同時に複数箇所の内圧を測定し、グレリン投与時の大腸運動について確認した。
(2)グレリンの作用発現時における神経の出力を確認:麻酔下ラットの骨盤神経に記録電極を留置し、グレリン投与時における神経の複合活動電位記録を試みた。長らく活動記録には至っていなかったが、本年度はようやく、神経活動電位と思われる記録に成功した。しかしながらまだ例数も少なく、現在、手技の安定化を目指し実験を重ねている。
(3)脊髄神経細胞における作用を解析:パッチクランプ法を用いて、グレリンの作用点である脊髄において、ニューロンに惹起される変化を明らかにすることを試みた。神経標識色素を新生ラットの腹腔内に投与し、脊髄に存在する腹腔内臓器支配神経をあらかじめ逆行性に標識した脊髄スライス標本を作製し、パッチクランプ法により神経活動記録を行うことを目的とした。前年度の予備実験に続き、条件検討の実験を行っており、脊髄ニューロンが標識色素により染色されること、また染色される細胞の局在について確認したが、グレリン投与時の反応記録には至っていない。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K17492
- 体系的課題番号 : JP19K17492