論文

査読有り
2020年9月

OA治療の効果判定におけるパルスオキシメトリーの有用性

睡眠口腔医学
  • 三上 俊彦
  • ,
  • 長谷部 大地
  • ,
  • 齋藤 大輔
  • ,
  • 遠藤 諭
  • ,
  • 小林 正治

7
1
開始ページ
18
終了ページ
23
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(NPO)日本睡眠歯科学会

目的:当科では閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea;OSA)に対する口腔内装置(OA)治療の効果判定に,原則として睡眠ポリグラフ検査(Polysomnography;PSG)を施行している.また,PSG前にはパルスオキシメトリー検査を施行し,おおよその効果を予測したうえで施行しているが,期待通りの結果が得られないこともある.そこで効果判定PSGの結果予測の向上を目的に,効果判定PSGとパルスオキシメトリー検査について比較検討した.方法:2011年から2015年に当科を初診したOSA251症例のうち,OA治療を行いパルスオキシメトリー検査のうえ効果判定PSGを施行した136症例を対象とした.パルスオキシメトリー検査は概ね複数回施行しているため,2%ODI,3%ODI,4%ODIそれぞれの最大値(ODI_Max),最小値(ODI_Min),平均値(ODI_Avg)を抽出し,効果判定PSGのAHIと統計学的に比較検討した.結果:AHIは3%ODI_Maxと最も相関し(相関係数:0.500,p<0.001),その近似式はy=0.602x+6.783(y:AHI,x:ODI)であった.重症度別では,軽症では2%ODI_Max(相関係数:0.501,p<0.001),中等症では3%ODI_Max(相関係数:0.448,p<0.001)と最も相関し,重症例ではいずれのODIとも有意な相関は得られなかった.また,BMIが25kg/m2未満(非肥満群)と25kg/m2以上(肥満群)の2群に分けて検討したところ,非肥満群では3%ODI_Max(相関係数:0.538,p<0.001)と最も相関したが,肥満群ではいずれのODIとも相関係数が0.4未満と低かった.結論:重症例や肥満症例において効果判定PSG前のパルスオキシメトリー検査の予知性は低いと判断され,重症例,肥満症例ではパルスオキシメトリー検査結果にとらわれずに速やかにPSGによる効果判定が望ましいと考えられた.(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 2188-6695
  • eISSN : 2433-8524
  • 医中誌Web ID : 2021124191

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