論文

査読有り
2019年3月

骨SPECT定量解析ソフトウェアにより顎骨骨髄炎のモニタリングを行った1例

日本口腔科学会雑誌
  • 秦 浩信
  • ,
  • 北尾 友香
  • ,
  • 今待 賢治
  • ,
  • 浅香 卓哉
  • ,
  • 山崎 裕
  • ,
  • 北川 善政

68
1
開始ページ
38
終了ページ
44
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(NPO)日本口腔科学会

骨シンチグラフィは顎骨骨髄炎の診断に以前から用いられてきたが、集積強度や集積体積を評価する客観的指標がなかった。装置やソフトウェアの進歩により、SPECT画像データをもとにPETと同様にさまざまなSUV解析が可能になった。GI-BONEは顎骨骨髄炎の活動性についてモニタリングが可能であり、既存の骨SPECTシンチグラフィ装置の有用性を高めるソフトウェアとして今後更なる臨床応用が期待できる。われわれはGI-BONEを用いて、顎骨骨髄炎の骨SPECT定量解析を行い、顎骨骨髄炎のモニタリングを行った症例を経験したので報告する。症例は71歳の男性で、下顎右側歯肉の腫脹と疼痛を主訴に当科を受診した。前立腺癌の骨転移のため、ゾレドロン酸(4mg)を2015年1月から約2年にわたり、4週間毎に24回静脈内投与されていた。下顎右側臼後部に2ヶ所、瘻孔と排膿を認め、また瘻孔周囲歯肉に強い腫脹と疼痛を認めた。右側下顎骨骨髄炎の診断のもと初診日よりアモキシシリンにて消炎を開始した。消炎開始後1週目には瘻孔周囲の腫脹はやや改善が認められ骨SPECTシンチグラフィを撮像した。その後8週間以上の骨露出を認めたため、下顎右側の骨吸収抑制剤関連顎骨壊死(ARONJ)Stage2と診断した。5ヵ月後、8ヵ月後にも骨SPECTシンチグラフィ撮像し、その経過についてGI-BONEにて解析をおこなったところ、SUVmax、Metabolic bone volume(MBV)共に著明な改善が認められた。また、初診から18ヵ月のCTにて腐骨の分離像が認められたため、局所麻酔下、腐骨除去を施行した。瘻孔は消失し、ARONJは寛解に至った。(著者抄録)

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URL
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2019&ichushi_jid=J01072&link_issn=&doc_id=20190415310007&doc_link_id=130007626828&url=http%3A%2F%2Fci.nii.ac.jp%2Fnaid%2F130007626828&type=CiNii&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00003_1.gif
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ID情報
  • ISSN : 0029-0297
  • eISSN : 2185-0461
  • 医中誌Web ID : 2019291343

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