2019年11月
設計の範囲における反応度係数を考慮した「もんじゅ」のATWS不確かさ解析評価
Journal of Energy and Power Engineering
- ,
- 巻
- 13
- 号
- 11
- 開始ページ
- 393
- 終了ページ
- 403
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.17265/1934-8975/2019.11.001
除熱喪失時原子炉トリップ失敗事象(ULOHS)は設計基準を超える原子炉トリップ失敗事象(ATWS)の中でも発生頻度における寄与が大きく,炉心損傷に至るまでの時間に猶予がある。その反面、除熱喪失事象であるため、冷却材温度の上昇に伴い、溶融燃料の原子炉容器内保持を達成する上での不確かさが大きい見通しが得られている。既往研究成果では、炉心損傷に至るまでの猶予時間が持つ不確かさが評価された。その中で炉心損傷が回避されると考えられるケースがある。具体的には、ULOHS事象における炉心損傷のクライテリアとして、PHTSポンプの健全性を保つ温度、すなわちポンプ入口Na温度が静圧軸受においてキャビテーションが発生する可能性が高くなる650$^{\circ}$C以内に収まる状態が1時間継続した場合、ULOHS事象による炉心損傷が回避されると仮定する。これを前提とし、PHTSポンプ入口Na温度が健全性を保つ範囲内に収まる入力条件を多変数の逆問題として解を探索する手法を開発することを本研究の目標とする。本稿ではまず、ULOHS事象が1時間継続した場合について、反応度係数及び動特性パラメータを設計の範囲で取り得る変数として解析し、PHTSポンプ入口Na温度が650$^{\circ}$C以下となる条件及び解析結果の分布を求めた結果について述べる。
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- DOI : 10.17265/1934-8975/2019.11.001
- ISSN : 1934-8975