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2014年7月

C3Hマウスへの暗期光暴露はアドレナリン経路を介して肝臓中Pai-1遺伝子の発現を上昇させる(Nocturnal Light Exposure Alters Hepatic Pai-1 Expression by Stimulating the Adrenal Pathway in C3H Mice)

Experimental Animals
  • 青島 良輝
  • ,
  • 榊原 啓之
  • ,
  • 鈴木 敬明
  • ,
  • 山崎 隼輔
  • ,
  • 下位 香代子

63
3
開始ページ
331
終了ページ
338
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1538/expanim.63.331
出版者・発行元
(公社)日本実験動物学会

ヒトやげっ歯類を含む生体内では、多くの生命現象が約24時間周期のリズム(概日リズム)を刻んでいる。その結果、栄養成分や薬剤などの効果が、投与時刻によって異なることが報告されている。したがって、げっ歯類などの実験動物を用いて、対象となる成分の体内での効果を調べるときには、成分を投与する時間帯を考慮に入れる必要がある。一方、暗期の作業時に点灯する光が、様々な概日リズムに影響を与える可能性が示唆されているが、その詳細な影響については依然として不明な点が多い。本研究では、概日リズムを刻んでいる線溶系の調節因子であるプラスミノーゲン活性化抑制因子(PAI-1)の発現に対する暗期の光暴露の影響を調べた。雄性C3Hマウスに対し、ZT14に70luxの白色光を1時間照射した後、経時的に血液および肝臓を採取した。光暴露により、肝臓中のPai-1遺伝子の発現量が上昇するとともに、血清PAI-1濃度も上昇傾向を示した。また、光暴露により肝臓中の時計遺伝子(Bmal1、Clock、Perl)と血中アドレナリン量が有意に上昇した。一方、副腎を摘出したマウスを用いて同様の試験を行ったところ、肝臓中の時計遺伝子の上昇は維持されたが、Pai-1遺伝子の変動は消失した。以上の結果より、マウスへの暗期光暴露がアドレナリン経路を介して、肝臓中の概日リズム因子であるPai-1遺伝子の発現を上昇させることを見出した。(著者抄録)

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1538/expanim.63.331
Web of Science
https://gateway.webofknowledge.com/gateway/Gateway.cgi?GWVersion=2&SrcAuth=JSTA_CEL&SrcApp=J_Gate_JST&DestLinkType=FullRecord&KeyUT=WOS:000339706900008&DestApp=WOS_CPL
ID情報
  • DOI : 10.1538/expanim.63.331
  • ISSN : 1341-1357
  • eISSN : 1881-7122
  • 医中誌Web ID : 2015113913
  • Web of Science ID : WOS:000339706900008

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