MISC

2017年10月

【腎臓病患者のための栄養学-最近の話題】 食事性酸負荷

腎・高血圧の最新治療
  • 細島 康宏
  • ,
  • 斎藤 亮彦
  • ,
  • 成田 一衛

6
4
開始ページ
202
終了ページ
207
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(有)フジメディカル出版

体内の酸塩基平衡は食事の影響を受けることが知られている。食事に依存した酸負荷は食事性酸負荷と呼ばれ、食事摂取量の情報から算出することが可能であり、正味内因性酸産生量(net endogenous acid production:NEAP)や潜在的腎臓酸負荷(potential renal acid load:PRAL)などの指標が提唱されている。最近、その食事性酸負荷が動脈硬化や糖尿病など生活習慣に起因する疾患に対して影響を及ぼす可能性が示唆されている。一方、慢性腎臓病(CKD)の進行において代謝性アシドーシスは独立した末期腎不全の危険因子であるが、食事性酸負荷がCKDの発症および進展に関連しているとする多くの報告が集積されつつある。食塩やたんぱく質、脂質管理などとともに、食事性酸負荷を適切に管理することが新たなCKD対策の一つになる可能性があり、今後のさらなる研究の進展が期待される。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 2187-0004
  • 医中誌Web ID : 2018027499

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