2017年11月
Magnetic and crystal structures of Ba$_{3}$Co$_{1-x}$Ca$_{x}$Ru$_{2}$O$_{9}$
62nd Annual Conference on Magnetism and Magnetic Materials (MMM 2017)
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- 記述言語
- 英語
- 会議種別
量子スピン液体状態を示すことが期待されるBa$_{3}$Co$_{1-x}$Ca$_{x}$Ru$_{2}$O$_{9}$について粉末中性子回折実験及び磁化率測定を実施した。磁化率測定の結果、Ca置換量{\it x}の増加に伴い反強磁性転移温度$T_\mathrm{N}$は低下し、{\it x}=0.1での$T_\mathrm{N}$=88Kに対して、{\it x}=0.3では$T_\mathrm{N}$=76Kまで下がることが分かった。中性子回折法による磁気及び結晶構造解析の結果、本試料では、これまで同種の化合物にてみられた{\it b}軸に沿ったCo$^{2+}$及びRu$^{5+}$のコリニアな磁気構造では説明がつかない磁気反射が観察された。また、{\it x}の増加に伴って格子体積の増加が観察されたが、その一方でRu-Ru間の原子間距離は減少することが分かった。これはRu-Ruの二量化に関係していると考えられる。本講演では{\it x}の変化によるRu$^{5+}$スピン変化を中心にBa$_{3}$Co$_{1-x}$Ca$_{x}$Ru$_{2}$O$_{9}$の磁気特性や磁気状態の詳細について議論する。