2013年12月
Remote Interpreting in Japan: Current State and Future Implications
論集
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回数 : 12
- 巻
- 60
- 号
- 2
- 開始ページ
- 115
- 終了ページ
- 130
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.18878/00002013
- 出版者・発行元
- 神戸女学院大学
比較的新しい通訳手段である遠隔通訳は、コスト面でのメリットと利便性により、日本においても徐々に普及しつつある。本稿における遠隔通訳とは、通訳者が他の会議参加者とは別の場所から、電話などの通信/会議システムや資料共有用のオンラインシステムなどを使いながら通訳することを指す。しかし日本では、通訳業界の基準を監視する機関や団体が存在しないため、遠隔通訳に関する技術的要件や基準が存在しない。その結果、遠隔通訳の実施環境にはばらつきがあり、適切な通訳環境が確保されていないケースが散見されるのが現状である。本研究では、遠隔通訳経験を有する通訳者とその利用者を対象に、二つの調査を実施し、日本における遠隔通訳の現状を把握しながら、遠隔通訳が直面している問題を明確化し、調査対象者のニーズとその充足度を確認することを試みる。新たな技術や手法を導入する際、それらが効果的に利用されるためには、利用者側の教育や研修が不可欠である。遠隔通訳においてもそれは同様である。本研究は、現在導入段階にある遠隔通訳に関する問題提起を行うことにより、今後の更なる研究や実施環境の改善および、ユーザー教育に資することを目的としている。これにより、今後遠隔通訳の需要増が予想される分野において、その効果的且つ持続可能な運用が促進され活用されることを期待している。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.18878/00002013
- ISSN : 0389-1658
- CiNii Articles ID : 110009676414
- CiNii Books ID : AN00085725