2012年3月
沿岸域海底泥中に存在する珪藻類休眠期細胞の凍結耐性
北海道大学水産科学研究彙報
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- 巻
- 62
- 号
- 1
- 開始ページ
- 15
- 終了ページ
- 19
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 北海道大学大学院水産科学研究科
現在,微細藻類の系統保存を行う方法としては継代培養法がよく用いられているが,継代培養法以外の,凍結あるいは乾燥といった手法による長期保存システムの確立が強く望まれることになる。沿岸性の珪藻類の中には,休眠胞子(resting spores)や休眠細胞(resting cells)と呼ばれる休眠期細胞(resting stage cells)を形成して,海底泥中で一時期を過ごす種が知られている。沿岸域の海底泥中には浮遊珪藻類の休眠期細胞が高密度(10E3~10E6/g・wet sediment)で存在することが明らかにされている。本研究では,このような背景のもとで,微細藻類の長期保存システムの確立を目指す上で必要な基礎的知見を蓄積することを目的として,凍結・解凍を経た現場海底泥試料中で生残し出現する珪藻種の分離・同定を行った。また,実験によって得られた珪藻類の栄養細胞について再び凍結実験を行い,底泥中に存在する細胞(休眠期細胞)と培養株(栄養細胞)の耐凍性の違いについても検討した。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1346-1842
- CiNii Articles ID : 120003994112
- CiNii Books ID : AA11547977