2018年4月 - 2020年3月
慢性炎症から発がんに関わる新規長鎖ncRNAの機能および分子ネットワークの解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究室では、慢性胃炎および胃がんに関連する長鎖non-coding RNA (lncRNA)としてTM4SF1AS1を同定してきた。胃がんにおけるTM4SF1AS1の作用機序を明らかにする上で、その相互作用因子の同定が必須となる。そこでRNAをターゲットにしたハイブリダイゼーションキャプチャー法の一種であるChIRP (Chromatin Isolation by RNA Purification)法に着目し、TM4SF1AS1の内在性相互作用因子(タンパク質、DNA、RNA)を網羅的に同定することが可能な本法の確立を試みた。これまで、TM4SF1AS1安定発現胃がん細胞株を対象にChIRP法を行ったところ、設計したビオチンラベルタイリングプローブにより細胞からTM4SF1AS1が回収できることをqRT-PCRにより確認した。そこでTM4SF1AS1の結合タンパク質を網羅的に同定すべく、ChIRP法で回収したTM4SF1AS1からタンパク質を抽出し、Q-Exactive orbitrap質量分析計によるChIRP-MSを行った。解析の結果、143個のタンパク質の候補を得た。さらなる候補の絞り込みのために、現在TM4SF1AS1の発現の高い胃がん細胞株を用いて、ChIRP-MSによる内在性の結合タンパク質の同定を進めている。
一方で臨床胃がんにおけるTM4SF1AS1の重要性を明らかにするために、これまで新学術領域研究コホート生体試料支援プラットフォームに胃がん臨床検体の生体試料支援を申請してきた。107症例の胃がん臨床検体の提供支援が決定し、検体試料を手に入れることができた。そのtotal RNAを抽出しqRT-PCRを行ったところ、一次解析においては健常人に対し胃がん患者でTM4SF1AS1の発現が亢進していることが示唆された。
一方で臨床胃がんにおけるTM4SF1AS1の重要性を明らかにするために、これまで新学術領域研究コホート生体試料支援プラットフォームに胃がん臨床検体の生体試料支援を申請してきた。107症例の胃がん臨床検体の提供支援が決定し、検体試料を手に入れることができた。そのtotal RNAを抽出しqRT-PCRを行ったところ、一次解析においては健常人に対し胃がん患者でTM4SF1AS1の発現が亢進していることが示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K15220
- 体系的課題番号 : JP18K15220