2013年
乾燥下でマツノザイセンチュウに感染したクロマツ苗木の水利用および光合成特性の解明
第124回日本森林学会大会
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- 巻
- 124
- 号
- 開始ページ
- 317
- 終了ページ
- 317
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11519/jfsc.124.0.317.0
- 出版者・発行元
- 日本森林学会
マツ材線虫病は感染木が乾燥条件にあると進行しやすいとされているが、その生理的メカニズムの解明のため、2年生クロマツの線虫接種苗で、潅水した個体(W処理)と水ストレス状態の個体(D処理)間で、水分生理特性および光合成特性の相互関係を調べた。その結果、病徴としての葉の黄変はD処理でより早く観察された。傾向として、日中の気孔コンダクタンス、木部の通水コンダクタンスが低下し、次いで水ポテンシャルが低下、その後葉が黄変した。葉の病徴発生直前における一年葉の光合成速度は、W, D処理とも初期に比べ低下しており、この低下はD処理で顕著だった。気孔コンダクタンスはD処理および接種木で低下傾向にあった。一方、最大光合成速度および炭酸固定速度は水分条件に関わらず、接種木で低下した。病徴発生時の各光合成特性値と樹体の水分特性値との相関は弱かった。従って、感染木においては、水ストレスで葉の黄変はより早期に起き、光合成機能もより低下するといえる。その一方、樹体の水分状態と光合成特性とが十分対応していないことから、感染によって水分生理の変化を介さない光合成機能への影響がある可能性が示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11519/jfsc.124.0.317.0
- CiNii Articles ID : 130005048439