＜文献概要＞【目的】歩数および強度別身体活動量が足趾把持力に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.【対象】地域在住高齢女性25名とした.【方法】測定項目は足趾把持力および身体活動量(歩数,座位行動,低強度身体活動,中高強度身体活動)とした.足趾把持力に及ぼす各要因の影響力を重回帰分析およびパス解析を用いて検討した.【結果】歩数は座位行動,中高強度身体活動,足趾把持力に直接関連し,座位行動,低強度身体活動を媒介して足趾把持力に間接的に関連していた.座位行動は足趾把持力に直接および低強度身体活動を媒介して間接的に関連していた.低強度身体活動は足趾把持力に直接関連していた.【結論】歩行や転倒予防に重要な足趾把持力の保護因子として,歩数,座位行動[1.5 metabolic equivalents(METs)以下]および低強度身体活動(1.6〜2.9METs)の多寡が影響する可能性が示された.