講演・口頭発表等

2017年8月

中性子PDF解析でみる強相関電子系の局所構造歪み

平成29年度文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業微細構造解析プラットフォーム第1回放射光利用研究セミナー/平成29年度第1回結晶PDF解析研究会
  • 樹神 克明

記述言語
日本語
会議種別
開催地
東京

原子対相関関数(atomic pair distribution function: PDF)は大雑把に言えば、ある原子から距離rだけ離れた位置に存在する原子の数あるいは確率をあらわす実空間の量である。これをバルクの結晶性物質に適用すると、結晶性物質中に存在し得る「結晶周期性をもたない」構造の歪み(局所構造歪み)を観測することができる。我々はこの結晶PDF解析法を主に機能性物質や強相関電子系物質に適用することにより、それら物質中に存在する局所構造歪みとその物質の機能および物性との関係を調べてきた。本講演ではそのような研究の例として、強磁性半金属CrO$_{2}$で観測された局所構造歪みと、それをもとにしたCrサイトの電子状態についての考察を紹介する。