共同研究・競争的資金等の研究課題

1998年 - 1999年

大脳皮質抑制性神経結合の生理学的、形態学的解析

文部科学省  科学研究費補助金(奨励研究(A))  奨励研究(A)

課題番号
10780506
体系的課題番号
JP10780506
資金種別
競争的資金

大脳皮質の投射ニューロンが電気生理学的にある程度一様な細胞集団だと考えられているのに対して、GABA作働性の介在細胞は、活性物質の発現パターン・樹状/軸索突起の形態・電気生理学的性質・薬物に対する反応性・シナプス伝達の周波数特性などから、非常に多数のサブタイプからなっていると考えられている。
大脳皮質の重要な入力は、他の皮質と視床からの興奮性投射である。この他に、大脳基底部からのアセチルコリン、青斑核からのノルアドレナリン、縫線核からのセロトニンなどの投射があるが、これらは皮質の活動状態を調節している。これらの伝達物質は錐体細胞に直接作用するだけでなく、GABA細胞を介して間接的に錐体細胞に影響すると考えられる(文献,3)。アセチルコリンのアナログであるカルバコールや、ムスカリンが、GABA作働性シナプス伝達やGABA細胞にどのような影響があるかを脳切片標本で調べた。カルバコールやムスカリンを作用させると、錐体細胞、GABA細胞両方のGABA作働性抑制性電流の頻度と振幅が増大した。この増大は、テトロドトキシンやアトロピンで抑えられたので、ムスカリン受容体を介して、GABA細胞が興奮して錐体細胞やGABA細胞に抑制性シナプス電流が引き起こされたと考えられる。カルバコールやムスカリンをある程度持続的に脳切片標本にかけると、抑制性シナプス電流の増大のパターンには、持続的に増えている...

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/10780506
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-10780506
ID情報
  • 課題番号 : 10780506
  • 体系的課題番号 : JP10780506