講演・口頭発表等

2017年

小学5・6年生における走ることが苦手な児童への短距離走の学習指導プログラムの効果

第68回日本体育学会 (静岡大学)
  • ◎<U>鈴木康介</U>・後藤悠太・欠畑岳・梶将徳・友添秀則・彼末一之

記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)

学校体育等において誰もが経験するであろう短距離走では,「できる」自信が低いほど好感度が低くなるとされる(大塚,2013).一方,平成29年に策定された第2期スポーツ基本計画において,子供のスポーツに対する愛好的態度を育成することの重要性が改めて示されるなど,スポーツを苦手・嫌いと感じている子供への対応は今後一層重要になると言える.そこで本研究では,子供が短距離走に対して自信を抱く上で重要となる疾走能力の向上をはかるための指導法の検討として,2016年9月~10月にかけ,埼玉県の公立小学校において計8回の放課後陸上教室を開催した.参加者は走ることが苦手と感じている5・6年生児童であり,疾走中の姿勢や上肢,下肢動作の改善をはかることを目的に,マーク走を中心としたプログラムに取り組んだ.指導の結果,6回以上参加した児童16名において,疾走動作が顕著に改善され,50m走タイムが0.30秒(p<0.01)短縮するなど,疾走能力の向上が認められた.このことから本プログラムは児童の疾走能力向上に対して有効であるが,今後は事例の蓄積とともにアンケートによって児童の運動有能感の変化を検証する必要があると考えられた.