症例は45歳女性で、急性骨髄性白血病に対し、2度の寛解導入(イダルビシン+シタラビン)を行い、地固め療法へ移行した。再発高リスクと判断され、地固め療法1コース目(ノバントロン+シタラビン)を行い、骨髄移植準備も進めた。地固め療法2コース目(ダウノマイシン+シタラビン)を目的に入院した。歯科治療を行い、周術期口腔機能管理として口腔内診察、口腔清掃、地固め療法3コース目(大量キロサイド療法)を行った。治療抵抗性であったため、非寛解状態で非血縁者間同種骨髄移植が計画された。移植2日前、副鼻腔CTで左上顎洞に軽度粘膜肥厚を認め、ムコール症疑いと診断し、骨髄移植前として投与された抗真菌薬をミカファンギンからムコール症に有効なリポゾーム化アムホテリシンBに変更した。