2020年11月 - 2025年3月
デジタルヒューマニティーズ的手法によるコネクティビティ分析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A) 学術変革領域研究(A)
2年度目となる2021年度は、本研究課題の主要な資料である人名録テキストを分析するための枠組みを設定することを目標とし、各地域の人名録に書かれる内容・構造・特徴的な表現や収録される母集団の位置づけを明らかにするとともに、それらに適したタグ付けの方法を検討した。
作業過程において、人名録作者はどのようにして各人物に関する情報を集めることができたのか、そしてその情報源は何に基づくものであるかという問いを立て検討した。その結果、人名録の情報が少なからず、学問修得において弟子が師からもらう免状(イジャーザ)に依拠していることが明らかとなった。タグ付けの指針については、数多くの人物を扱う際の一義的なIDをどのようにつけるかといった問題や、複雑な血縁・婚姻関係をどのようにタグ付けすればよいかなどについても議論された。さらに、テキストの情報に依拠して個と個のつながりを復元していくことで浮かび上がるコネクティビティは、どの程度現実のコネクティビティを反映しているのかという問いが立てられ、現在もその問いに対する考察が進められている。具体的には、20世紀後半以降の博士論文の謝辞からコネクティビティを復元し、実際の学問的発展とどのような相関関係があるかについての検証を行う。
この他、計画していたとおり、デジタル・ヒューマニティーズ的手法の習得を目指すハンズオンセミナーを開催し、本研究課題の関係者のみならず、大学や分野を超えて、多くの参加者を得た。ハンズオンセミナーで扱った内容は、手書き文字の自動認識ソフトウェアであるTranskribus、関係性の記述方法であるResource Description Framework、地理情報システム(GIS)、Text Encoding Initiative (TEI)である。
作業過程において、人名録作者はどのようにして各人物に関する情報を集めることができたのか、そしてその情報源は何に基づくものであるかという問いを立て検討した。その結果、人名録の情報が少なからず、学問修得において弟子が師からもらう免状(イジャーザ)に依拠していることが明らかとなった。タグ付けの指針については、数多くの人物を扱う際の一義的なIDをどのようにつけるかといった問題や、複雑な血縁・婚姻関係をどのようにタグ付けすればよいかなどについても議論された。さらに、テキストの情報に依拠して個と個のつながりを復元していくことで浮かび上がるコネクティビティは、どの程度現実のコネクティビティを反映しているのかという問いが立てられ、現在もその問いに対する考察が進められている。具体的には、20世紀後半以降の博士論文の謝辞からコネクティビティを復元し、実際の学問的発展とどのような相関関係があるかについての検証を行う。
この他、計画していたとおり、デジタル・ヒューマニティーズ的手法の習得を目指すハンズオンセミナーを開催し、本研究課題の関係者のみならず、大学や分野を超えて、多くの参加者を得た。ハンズオンセミナーで扱った内容は、手書き文字の自動認識ソフトウェアであるTranskribus、関係性の記述方法であるResource Description Framework、地理情報システム(GIS)、Text Encoding Initiative (TEI)である。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H05830
- 体系的課題番号 : JP20H05830
この研究課題の成果一覧
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MISC
6-
Springer Proceedings in Earth and Environmental Sciences 99-105 2023年11月4日 招待有り最終著者責任著者
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情報知識学会誌 32(4) 420-423 2022年12月
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宗教研究 95(別冊) 70-71 2022年3月
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イスラーム信頼学 2022年2月 責任著者
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The Digital Orientalist 2021年9月 筆頭著者
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The Digital Orientalist 2021年9月 筆頭著者
書籍等出版物
2-
人文書院 2024年2月 (ISBN: 9784409420256)
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文学通信 2022年8月4日 (ISBN: 490965884X)
講演・口頭発表等
15-
The Annual Alliance of Digital Humanities Organizations (ADHO) Digital Humanities Conference 2023 2023年7月12日 The University of Graz, The Alliance of Digital Humanities Organizations (ADHO)
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AA研フォーラム 2023年3月16日
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コモンズカフェ 2022年12月22日 招待有り
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第27回 情報知識学フォーラム「人文学テキストを通じた研究データ共有」 2022年12月18日 情報知識学会
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The 1st International Conference of Remote Sensing and Space Sciences Applications 2022年12月10日
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情報処理学会第129回人文科学とコンピュータ研究発表会 2022年5月21日
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日本中東学会第38回年次大会 2022年5月15日
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2022年日本地理学会・春季学術大会 2022年3月20日
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Islamic Trust Studies Workshop “Visualization and Verification of Ulama Network in Southeast Asia: Ijazah and Silsila as Historical Materials” 2021年12月27日
学術貢献活動
3-
助言・指導, 運営参加・支援熊倉和歌子(文部科学省科学研究費・学術変革領域研究(A)イスラーム信頼学C01班) デジタル・ヒューマニティーズ Summer Days 2021 2021年8月21日
社会貢献活動
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