共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年11月 - 2025年3月

デジタルヒューマニティーズ的手法によるコネクティビティ分析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)  学術変革領域研究(A)

課題番号
20H05830
体系的課題番号
JP20H05830
配分額
(総額)
92,170,000円
(直接経費)
70,900,000円
(間接経費)
21,270,000円

2年度目となる2021年度は、本研究課題の主要な資料である人名録テキストを分析するための枠組みを設定することを目標とし、各地域の人名録に書かれる内容・構造・特徴的な表現や収録される母集団の位置づけを明らかにするとともに、それらに適したタグ付けの方法を検討した。
作業過程において、人名録作者はどのようにして各人物に関する情報を集めることができたのか、そしてその情報源は何に基づくものであるかという問いを立て検討した。その結果、人名録の情報が少なからず、学問修得において弟子が師からもらう免状(イジャーザ)に依拠していることが明らかとなった。タグ付けの指針については、数多くの人物を扱う際の一義的なIDをどのようにつけるかといった問題や、複雑な血縁・婚姻関係をどのようにタグ付けすればよいかなどについても議論された。さらに、テキストの情報に依拠して個と個のつながりを復元していくことで浮かび上がるコネクティビティは、どの程度現実のコネクティビティを反映しているのかという問いが立てられ、現在もその問いに対する考察が進められている。具体的には、20世紀後半以降の博士論文の謝辞からコネクティビティを復元し、実際の学問的発展とどのような相関関係があるかについての検証を行う。
この他、計画していたとおり、デジタル・ヒューマニティーズ的手法の習得を目指すハンズオンセミナーを開催し、本研究課題の関係者のみならず、大学や分野を超えて、多くの参加者を得た。ハンズオンセミナーで扱った内容は、手書き文字の自動認識ソフトウェアであるTranskribus、関係性の記述方法であるResource Description Framework、地理情報システム(GIS)、Text Encoding Initiative (TEI)である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-20H05830
ID情報
  • 課題番号 : 20H05830
  • 体系的課題番号 : JP20H05830

この研究課題の成果一覧

MISC

  6

書籍等出版物

  2
  • 須永, 恵美子, 熊倉, 和歌子 (担当:分担執筆, 範囲:第8章「五線譜のデジタル化―クルアーン第1章第2節を例に―」(pp. 204-233))
    人文書院 2024年2月 (ISBN: 9784409420256)
  • 石田 友梨, 大向 一輝, 小風 綾乃, 永崎 研宣, 宮川 創, 渡邉 要一郎 (担当:共編者(共編著者), 範囲:第3部編集、第3部第5章(「Transkribusを用いたTEIの人名タグ付きテキストの機械学習による自動人名抽出:ジャアファル・ブン・イドリース・カッターニー『目録』を例に」、302-308頁)執筆)
    文学通信 2022年8月4日 (ISBN: 490965884X)

講演・口頭発表等

  15

学術貢献活動

  3

社会貢献活動

  1