共同研究・競争的資金等の研究課題

2007年 - 2009年

昆虫プロインスリン(ボンビキシン)Cペプチドの新規ホルモンとしての位置づけ

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究  挑戦的萌芽研究

課題番号
19658019
体系的課題番号
JP19658019
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,300,000円
(直接経費)
3,300,000円

インスリンは、線虫や昆虫での研究により、個体の生き残り戦略の要となる分子であることが示されつつある。これは、従来の「血糖調節・代謝調節」に係わるホルモンとしての機能を大きく展開させるものである。昆虫におけるインスリン分子(ボンビキシン)の全貌を明らかにし、Cペプチドの新規機能を明らかにするため、本年度は、新規ボンビキシン遺伝子の発現解析およびアミド化CペプチドのMAPキナーゼに対する作用を検討した。
(1)発現解析の結果、Vファミリー遺伝子は脳、Wファミリー遺伝子は脳及び卵巣、Xファミリー遺伝子は脂肪体、Yファミリー遺伝子は脳及び卵巣、Zファミリー遺伝子は脳、脂肪体及び卵巣で発現が見られた。
(2)アミド化Cペプチドとして、(1)N-GAQFASYGSAWLMPYSEGRamide-C、(2)N-DAQFASYGSAWLMPYSAamide-Cを用いた。また、非アミド化Cペプチドとして、(3)N-GAQFASYGSAWLMPYSEGRG-Cを用いた。体液ボンビキシン濃度の低い5齢2日と高い5齢10日幼虫からマルピーギ管と脂肪体を摘出し、前培養後、Cペプチド存在、非存在下で培養を行った。MAPキナーゼとしてErk及びp38のリン酸化亢進の有無を、抗リン酸化抗体を用いたウエスタンプロット解析により検討した。マルピーギ管、脂肪体いずれにおいてもアミド化、非アミド化を問わず、Cペプチド投与によるリン酸化Erk及びp38の増加は見られなかった。各実験区においてデータのばらつきが多いため、条件等の再検討が必要である。また、今後、他の組織、PI3キナーゼ等の他のシグナルカスケードで検討も必要である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19658019
ID情報
  • 課題番号 : 19658019
  • 体系的課題番号 : JP19658019